
「これ、やっぱり店長が犯人なんじゃないか…?」
『みいちゃんと山田さん』を読み進めていると、どうしてもこう思ってしまいますよね。
みいちゃんを風俗に流したのも店長。
裏の人間とつながっているのも店長。
そして、ペンチという不穏な道具も店長の手元にある。
ここまで揃うと、かなり怪しく見えます。
ただ、少しだけ立ち止まって考えてみると、
ひとつの違和感が浮かんできます。
本当に、店長が“黒幕”であり、最後に手を下す側なのか?
店長は犯人なのか?ペンチの伏線から考える
まず、店長について整理してみます。
・みいちゃんをキャバクラから風俗へ流した
・客との関係や仕事を管理している
・裏の人間とつながっている
・ペンチを持つ環境にいる
ここまで見ると、完全に黒です。
しかも3巻では、山田さんが店長からペンチを借りています。
あのときは日常の一コマでしたが、
あとから考えると少し引っかかる。
そして、ペンチで金具を切った瞬間、
「バチン」という音と同時に、みいちゃんが一瞬ビクッとする描写があります。
ここ、かなり重要です。
ただの驚きにも見えますが、
よく見ると“音に対する反応が強すぎる”んですよね。
つまりこの時点で、
・金属が切れる音
・ペンチという道具
に対して、すでに恐怖や嫌な記憶が結びついている可能性がある。
もしくは、
これから起こる出来事を暗示する“前触れ”として描かれている。
そう考えると、
ペンチは単なる小道具ではなく、
暴力や支配を象徴し、“黒幕の存在”を示唆するアイテムとして機能していることになります。
だからこそ、
そのペンチを扱える位置にいる店長に、
疑いの目が向くのは自然なんです。
店長には決定的に足りないものがある
ここでひとつ、冷静に考えてみたいです。
店長は
・人を動かす側
・仕事を回す側
です。
つまり、
自分でリスクを背負って動く必要がない立場です。
むしろ店長にとって大事なのは、
・キャストを壊さず使い続けること
・利益を出し続けること
なので、
感情で暴走して殺す動機が弱い
ここが大きな違和感になります。
ペンチは何を示しているのか
ここでペンチの見方が変わります。
・店長の持ち物
→ 環境の象徴
・現場に存在しうる道具
→ 誰でも手に取れる
つまり、
店長が作った環境の中で、別の誰か――“黒幕になり得る人物”が動く可能性
が見えてきます。
本当の犯人=黒幕は誰なのか
ここからが本題です。
「店長ではない」と考えたとき、
浮かび上がるのが他の犯人候補です。
実際、ネット上でも
・店長
・シゲオ
・マオ君
・その他関係者
と、複数の人物が疑われています。
ここからは、その中でも有力な4人を順番に見ていきます。
シゲオ 犯人説|感情が暴走する危うさ
まずはシゲオです。
シゲオは
・みいちゃんが風俗で働くと知る
・精神的に崩れる
・キャバクラで包丁を振りかざす
・それでも会いに行く
この流れを見ると、かなり危険です。
ただ、ネットの考察では
・自分の歪みに気づいている
・完全な加害者として描かれていない
という点から、
「危ういけど、実行犯ではない可能性が高い」
と見る意見も多いです。
読んでいても、
「やってしまいそうで、ギリギリ踏みとどまる」
そんな位置にいる人物に見えます。
マオ 犯人説|支配と依存が絡み合うDV関係
次にマオ君です。
マオ君は
・日常的に暴力を振るっている
・金のためにみいちゃんを利用している
・裏社会とつながっている
つまり、
環境的には“黒幕に近い立場”にいる人物
ただし、
・直接手を下したかは不明
・裏で動かしている可能性
など、
“黒幕候補のひとり”として考えられています。
ムウちゃんの母 犯人説|静かに積み重なった恨み
ここ、かなり重要です。
ムウちゃんの母は、
・動機がある(娘に悪影響を与えた恨み)
・みいちゃんの過去を知っている
・遺棄場所と繋がる
特に、
遺体が宮城で発見される点
この条件を満たす人物は限られます。
だからこそ、
静かに近づき、最後に手を下す“真の黒幕”である可能性
が最も高いと考えられます。
結論|犯人は店長なのか?黒幕の正体
ここまで整理してくると、少し見え方が変わってきます。
店長はたしかに怪しい。
でも、本当に“黒幕”なのかと考えると違和感が残る。
改めて整理すると、こうなります。
・店長 → 環境を作った(ミスリード)
・シゲオ → 感情に揺れる不安定な存在
・マオ君 → 支配と依存で追い詰めた存在
・ムウちゃんの母 → 最後に手を下した“黒幕”の可能性
つまり、
店長が黒幕に見えるのは意図された構造であり、
本当の黒幕は別にいる可能性が高い
まとめ
「店長が怪しい」
そう思わせる要素は、確かに揃っています。
でも、その視点だけで見ると見落としてしまう。
本当に怖いのは、
もっと身近で、
静かに近づいてくる“黒幕”の存在です。
そしてこの作品は、
一人の犯人で終わる話ではありません。
関わった人たちが、少しずつ歪みを重ねていく中で、
最後の結末にたどり着いてしまう。
だからこそ読み終わったあとに、
「やり切れない」
そんな気持ちが残るのかもしれません。



