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【8巻ネタバレ】『住みにごり』考察&感想まとめ|にごりのなかで浮かび上がる、家族という幻想

2025年6月25日

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漫画『住みにごり』第8巻の表紙。部屋で椅子にうつ伏せる末吉の姿が描かれている。
『住みにごり』8巻

『住みにごり』第8巻(第68話〜第77話)は、
登場人物たちの心の濁りと、
にじむような家族の形が交錯する巻でした。

傷つけることと、守ろうとすること。
そのどちらにも正しさがあるからこそ、
人は迷い、濁ってしまうのかもしれません。

ここでは、全10話の流れをひとつながりの“濁流”として振り返りながら、
各話ごとの印象的なシーンと、その裏に隠された感情を読み解いていきます。

物語の本題に入る前に、前巻の流れをふり返る(7巻の解説はこちら)

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第68話「小指」|兄フミヤの“封印された過去”と野上の“正義”

『住みにごり』第68話では、ついに清くん事件の真相に近づく“決定的な記憶”が描かれます。

舞台は再び、フミヤの支配空間へ。
静かな空気の中に、じわじわと狂気がにじみ出してくる──そんな緊張感に満ちた回です。

この記事では、特に印象的な場面を振り返りながら、
「なぜ末吉は耐えているのか」「支援と支配の境界線はどこにあるのか」

第68話「小指」ネタバレ考察|兄フミヤの“封印された過去”と野上の“正義”

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第69話「大人」|暴走した正義と、新沼が差し出す“名刺の意味”

善意で踏み込んだその一歩が、人を壊してしまうことがある。
第69話「大人」は、“支援”という名の暴力と、それに気づいた若者の苦悩を描いた物語です。

引き出し屋の新人・野上は、正しいことをしたつもりだった。
でも、その行動が引きこもりの少女をより深く傷つけ、家族の関係を完全に壊してしまいます。

正義の名のもとに暴走してしまった自分。
その先で出会ったのが、新沼ひなぎという“ほんとうの大人”でした。

第69話「大人」ネタバレ考察|暴走した正義と、新沼が差し出す“名刺の意味”

第70話「節介」|フミヤと再会した新沼の“涙の理由”

“正しさ”では救えないことがある──

第70話「節介」は、支援の現場に立つ新沼が、朝井との静かな衝突を経て、
“支援者”としての自分と、“妹”としての自分の境界線に向き合う物語でした。

そしてその先に待っていたのは、「偶然を装った出会い」。
支援の名を借りた“越境”に、思わず涙が滲む一話です。

第70話「節介」ネタバレ考察|フミヤと再会した新沼の“涙の理由”

第71話「踊場」|新沼達郎とフミヤが出会った“5/4の意味”とは?

その場所は、デパートの5階と4階の“あいだ”にある踊り場──
誰も足を止めない、けれど誰かにとっては“世界との接点”になる空間。

『住みにごり』第71話では、元引きこもりの新沼達郎と、現在も引きこもり状態にあるフミヤが、
初めて出会い、静かに言葉を交わします。

第71話「踊場」ネタバレ考察|新沼達郎とフミヤが出会った“5/4の意味”とは?

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第72話「人参」|“うさぎちゃん”の記憶と、母・百子の喪失の予兆

にんじんの飾り切りが、記憶の奥にしまっていた母の姿を呼び起こす──
『住みにごり』第72話「人参」では、息子・末吉と母・百子が“すき焼き”を囲みながら、過去と現在、親と子の立場を静かに反転させていきます。

笑いの中に切なさがあり、あたたかな団らんの中に、ふと訪れる「誰ですか?」の一言。
この一話には、“思い出”と“老い”が、食卓という日常の中で交錯する様子が、繊細に描かれています。

第72話「人参」ネタバレ考察|“うさぎちゃん”の記憶と、母・百子の喪失の予兆

第73話「責任」|夏海の怒りと笠原の過去、それぞれの“赦されなさ”が交差する

支援とは、ほんとうに“善意”なのでしょうか。
誰かのために差し出された手が、相手を追い詰めてしまうこともある――。

第73話「責任」では、引きこもり少女・佐倉夏海と、過去を隠して生きてきた男・笠原の物語が静かに交錯します。
ふたりの間に通うのは、“赦されなさ”という名の孤独。

それぞれの立場と感情に宿る「責任」の意味、そして“赦されないまま生きるということ”に迫ります。

第73話「責任」ネタバレ考察|夏海の怒りと笠原の過去、それぞれの“赦されなさ”が交差する

第74話「散歩」|笹原の過去と末吉の異変、静かに壊れていく家族の気配

ほんの少しの散歩のはずだった――
けれど、戻ってきたときには、何かが決定的に変わっていた。

『住みにごり』第74話「散歩」は、静けさの中に不穏な波紋が広がっていくような回です。
過去の事件、母の異変、そして弟・末吉の“無自覚な異常さ”。
一つひとつの会話や行動が、見えない境界線をじわじわと越えていきます。

第74話「散歩」ネタバレ考察|笹原の過去と末吉の異変、静かに壊れていく家族の気配

第75話「出口」|出口なき末吉の心──そして兄妹の“親密さの歪み”

人は、どこで壊れ、どこで救われるのでしょうか。

第75話「出口」では、家族の崩壊、罪の記憶、そして赦しの気配が交錯します。
物語の舞台は、静かな住宅地、公園、そしてデパートの“踊り場”。

そこにいるのは、母の認知症と向き合う姉弟、過去の銃撃事件を語る元警官、そして5階と4階のあいだで立ち止まる青年。
誰もが、誰かを想いながら、誰にも救えない現実の中で、そっと揺れ動いています。

「出口」とは、本当に“外へ出る”ことなのか。
それとも、“ここにいてもいい”と認められることなのか──

第75話「出口」ネタバレ考察|出口なき末吉の心──そして兄妹の”親密さの歪み”

第76話「反転」|末吉の理性がついに崩壊。“跳び蹴り”の衝動は救いか絶望か

理性とは、こんなにも脆く、静かに崩れていくものなのか――。

信じていたものは空っぽで、助けを求めた相手は耳をふさぐ。
優しさは届かず、言葉も交わらず、ただ「敵か味方か」だけが残された世界。

『住みにごり』第76話「反転」は、これまでじわじわと積み重ねられてきた“壊れそうな予兆”が、ついに表に出てしまう決定的な瞬間を描いています。

第76話「反転」ネタバレ考察|末吉の理性がついに崩壊。“跳び蹴り”の衝動は救いか絶望か

第77話「手帳」|日常の中で見えた“奇跡”と、妹・ひなぎとの異様な関係性

きっかけは、コンビニの床に落ちていた“それ”でした。
思わず笑ってしまいそうな出来事なのに、気づけば心に残っていた――
そんな静かな「奇跡」が、今夜描かれます。

『住みにごり』第77話「手帳」は、前回の衝撃的な“跳び蹴り”の直後、
少し呼吸を整えるような日常回……のように見えて、
実はもっと深いところで、「人との距離」や「変わっていく関係」にそっと触れてくるエピソードでした。

第77話「手帳」ネタバレ考察|日常の中で見えた“奇跡”と、妹・ひなぎとの異様な関係性

まとめ|にごりのなかで、それでも人は“誰かと繋がりたい”と願ってしまう

『住みにごり』第8巻は、人の濁りと関係の濁流を静かに描きながら、それでもどこかに“赦し”や“希望”のかけらを残していました。

家族という言葉が、あたたかさだけでなく、痛みや恐れをも包み込むからこそ──

読者の心にも、にごりは深く染み込んでくるのです。

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苦しみ、もがいた先で、
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