2026年8月28日に公開された映画『時には懺悔を』。
西島秀俊さん、満島ひかりさん、黒木華さん、宮藤官九郎さん、柴咲コウさん、佐藤二朗さん、役所広司さんなど、実力派キャストが集結しています。
そんな本作で気になるのが、重い障がいのある少年・明野新(しん)を演じている「しんすけ」です。
「しんすけってどんな子?」「本当に障がいがあるの?」と気になった人も多いのではないでしょうか。
実は、しんすけが新役を演じることになった背景には、本作ならではのキャスティングと制作側の取り組みがありました。
この記事では、新役を演じたしんすけについて、本人と役の障がいの違い、出演が決まった経緯、撮影を支えた体制まで詳しく解説します。
この記事でわかること
・明野新役を演じているのは誰か
・しんすけはどんな子役なのか
・しんすけ本人にも障がいがあるのか
・明野新としんすけ本人の障がいは同じなのか
・なぜしんすけが新役に選ばれたのか
・撮影現場ではどんな配慮が行われたのか
・2歳の明野新を演じているのは誰か
映画『時には懺悔を』の新役はだれ?
映画『時には懺悔を』で物語の重要人物となるのが、明野新です。
新は、宮藤官九郎さん演じる明野哲夫と暮らしている、重い障がいのある少年です。
映画公式サイトでは、8歳の明野新を演じるキャストとして「しんすけ」と発表されています。
殺人事件を追う佐竹三雄と中野聡子が、9年前の新生児誘拐事件へとたどり着く中で、新の存在は物語の中心に浮かび上がっていきます。
事件の鍵を握るだけでなく、周囲の大人たちの感情や生き方にも大きな変化を与える人物です。
8歳の明野新を演じるのは「しんすけ」
映画公式サイトのキャスト欄には、
「明野 新(8歳)/しんすけ」
と記載されています。
ただし、一般的な子役のような詳しいプロフィールは公開されていません。
2026年9月2日時点で確認できる公式情報では、「しんすけ」という名前以外に、本名、所属事務所、生年月日などは公表されていません。
なお、「8歳」という表記は明野新という役の年齢です。
しんすけ本人の実年齢を示しているわけではありません。
2歳の明野新は別の子役が演じている
明野新は、すべての年代をしんすけが演じているわけではありません。
公式サイトでは、
「明野 新(8歳)/しんすけ」
「明野 新(2歳)/諸角優空」
と発表されています。
つまり、成長した新をしんすけ、幼い時期の新を諸角優空が演じています。
「新役は誰?」と調べたときに複数の名前が出てくるのは、このためです。
しんすけは普通の子役なの?
しんすけは、一般的な芸能事務所所属の子役としてプロフィールが公開されている人物ではありません。
映画公式サイトでは、しんすけを含む出演者について「スペシャルニーズのある出演者」という表現が使われています。
本作では、障がいのある子どもたちを単に撮影対象として扱うのではなく、一人の俳優として作品に参加してもらう姿勢が重視されました。
共演した西島秀俊さんも、家族から「俳優として接してください」と伝えられたことをインタビューで明かしています。
つまり、しんすけは「障がいのある子どもをそのまま映した」のではありません。
明野新という役を演じる俳優の一人として映画に参加しています。
しんすけ本人にも障がいがある?
しんすけ本人も、医療的ケアを必要とする子どもであることが報じられています。
毎日新聞の取材では、しんすけには先天性の孔脳症があり、人工呼吸器の使用や、たんの吸引、チューブによる栄養摂取などの医療的ケアが必要だと紹介されています。
そのため、映画のために障がいのある姿を演技だけで再現しているわけではありません。
実際にスペシャルニーズのあるしんすけが、重い障がいのある少年・新を演じています。
ただし、ここで注意したいのが、
「しんすけ本人=明野新」
ではないということです。
本人と役では、障がいの内容が異なります。
明野新としんすけ本人の障がいは同じ?
明野新と、演じているしんすけ本人は同じ疾患ではありません。
新は、二分脊椎症と水頭症を抱える少年として描かれています。
一方、しんすけ本人については、先天性の孔脳症があることが報じられています。
整理すると、
明野新:二分脊椎症、水頭症
しんすけ本人:孔脳症
となります。
「実際に新と同じ病気の子が演じている」という意味ではありません。
障がいのある子ども本人が、別の疾患を持つ人物を一人の俳優として演じています。
なお、映画公式サイトでは、新について「重い障がいのある少年」と紹介されています。
なぜしんすけが新役に選ばれた?
しんすけの出演は、最初からすぐに決まったわけではありません。
本作でスペシャルニーズスーパーバイザーを務めた安田一貴さんによると、最初に出演を依頼した際、家族は一度断ったといいます。
安田さんは理学療法士として、病気や障がいのある子どもの医療やリハビリテーションに関わってきた人物です。
制作側はその後も家族と話し合いを重ね、中島哲也監督自身も交えて、なぜ新役をしんすけに演じてほしいのかを説明しました。
中島哲也監督がしんすけに感じた魅力
中島哲也監督が注目したのは、しんすけの表情や動き、声でした。
監督は、しんすけが見せる表情や動き、時折発する声そのものに魅力を感じ、新という人物を成立させるために必要だと考えたことを明かしています。
さらに、しんすけから伝わる生きる喜びのようなものも、新というキャラクターに必要だったと語っています。
新は、多くの言葉を使って周囲を動かす人物ではありません。
笑う。
声を発する。
誰かを見る。
触れられたことに反応する。
そうした一つひとつの反応が、大人たちの感情を大きく揺らしていきます。
しんすけ本人が持っている表現力が重視された理由は、そこにあります。
家族は一度出演を断っていた
しんすけの家族が出演に慎重だったのも無理はありません。
映画として映像が長く残ること。
本人が映画への出演を望んでいるかを言葉で確認することが難しいこと。
さらに、医療的ケアが必要なしんすけを長時間の撮影に参加させること。
家族にとっては、簡単に決められることではありません。
それでも制作側との話し合いを重ねる中で、障がいがあるから出演してほしいのではなく、一人の俳優として新を演じてほしいという考えが伝えられました。
出演が決まるまでの過程からも、本作の制作姿勢が見えてきます。
『時には懺悔を』には障がいのある子どもが実際に出演
『時には懺悔を』でスペシャルニーズのある出演者は、しんすけだけではありません。
映画には20人以上のスペシャルニーズのある子どもたちが俳優として参加しています。
障がいのある子どもたちを実際に多数キャスティングし、商業映画として長期間撮影することは、制作側にとっても大きな挑戦でした。
そのため、一般的な映画撮影とは異なるサポート体制も整えられています。
スペシャルニーズスーパーバイザーが撮影を支えた
本作では、安田一貴さんがスペシャルニーズスーパーバイザーとして参加しています。
映画公式サイトによると、安田さんは理学療法士として国内外のこども病院で、病気や障がいのある子どもの医療に関わってきました。
撮影では、子どもたちの安全や体調に配慮しながら、本人ができることを最初から制限するのではなく、家族や専門家と相談しながら撮影方法が考えられました。
中島監督も、子どもたちがカメラの前で必要以上に緊張せず、普段に近い状態でいられる環境づくりを重視したと説明しています。
映画『時には懺悔を』公式サイト
https://www.tokizan.jp/
宮藤官九郎も介護の講習を受けていた
新を育てる明野哲夫役の宮藤官九郎さんは、しんすけと共演する前に介護についての講習を受けています。
寝返りを打つ際の支え方なども事前に学んだと明かしています。
映画の中で明野は、長年にわたり新を世話してきた人物です。
そのため、ただ優しく触れるだけでは、長期間介護を続けてきた親子の動きには見えません。
中島監督は、実際に障がいのある子どもと暮らす家族にも取材し、日常の中では一見大胆に見えるほど手際よく介助することもあると説明しています。
宮藤さんは、しんすけの安全を守りながら、長年一緒に暮らしてきた父親らしい距離感を作るという難しい役に挑んでいました。
制作側が重視したのは「俳優として接すること」
本作の制作背景で繰り返し語られているのが、スペシャルニーズのある出演者を一人の俳優として扱うという考え方です。
もちろん、安全や健康への配慮をなくすという意味ではありません。
家族や医療・福祉の専門家によるサポート体制を整えた上で、演技の可能性まで最初から「できない」と決めつけないということです。
西島秀俊さんも、家族から遠慮せず俳優同士として接してほしいと言われたことで、自分から限界を決めないよう意識したと振り返っています。
「障がいのある子どもを撮影した」というだけでは、この映画のキャスティングを正確に表せません。
しんすけたちは、映画を作る側の一員として参加しています。
原作にも障がいのある息子を育てた経験が反映されている
『時には懺悔を』には、打海文三さんによる同名小説の原作があります。
映画公式サイトによると、打海さんは障がいのある息子を育てた経験をもとに、1994年に『時には懺悔を』を発表しました。
そのため、障がいのある子どもと家族の関係は、映画化の際に追加されたテーマではありません。
物語の出発点から深く組み込まれています。
現在は角川文庫版が刊行されており、電子書籍版も配信されています。
映画を見て、新や明野の関係が印象に残った人にとっては、原作を読むことで作品の背景をさらに深く知ることができます。
『時には懺悔を』の新はどんな存在?
新について詳しく説明すると、物語の核心に触れる部分があります。
ネタバレを避けて言えば、新は殺人事件と9年前の新生児誘拐事件を結びつける重要人物です。
ただし、本作における役割は「事件の鍵」だけではありません。
佐竹、聡子、明野をはじめ、それぞれ異なる傷や過去を抱えている大人たちが、新と関わることで少しずつ変化していきます。
中島哲也監督も、重い障がいを持って生まれた幼い命に出会った大人たちがどう変わっていくのかを描いた作品だと説明しています。
新自身が大人たちに答えを教えるわけではありません。
それでも、新の存在そのものが彼らの生き方を映し出していきます。
しんすけというキャスティングが重要だった理由も、物語が進むほど伝わってきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 映画『時には懺悔を』の新役は誰ですか?
A. 8歳の明野新を演じているのは「しんすけ」です。映画公式サイトにも「明野 新(8歳)/しんすけ」と掲載されています。
Q2. しんすけは本当に障がいがある子ですか?
A. はい。報道では、しんすけ本人には先天性の孔脳症があり、人工呼吸器などの医療的ケアを必要とすることが伝えられています。
Q3. しんすけと明野新は同じ障がいですか?
A. 同じではありません。新は二分脊椎症と水頭症を抱える人物として描かれていますが、しんすけ本人には孔脳症があると報じられています。
Q4. しんすけは何歳ですか?
A. しんすけ本人の実年齢は、2026年9月2日時点で確認できる公式情報では公表されていません。公式サイトの「8歳」は明野新という役の年齢です。
Q5. 2歳の明野新を演じているのは誰ですか?
A. 2歳の明野新を演じているのは諸角優空です。公式サイトでも、8歳の新と2歳の新は別々にキャストが掲載されています。
Q6. しんすけは芸能事務所に所属する子役ですか?
A. 2026年9月2日時点で確認できる公式情報では、所属事務所や詳しい芸能プロフィールは公表されていません。「しんすけ」という名前で本作の正式なキャストとしてクレジットされています。
まとめ
しんすけについて調べていくと、『時には懺悔を』が目指したリアリティの意味も少し違って見えてきます。
単に「本当に障がいのある子を出演させればリアルになる」という発想ではありません。
本人の表情や声、動きを映画側の都合に押し込むのではなく、それを一人の俳優が持つ表現として受け止める。
そのために家族と話し合い、専門家を現場に入れ、共演者も介護を学ぶところから撮影が始まっています。
新の存在が作中の大人たちを動かしていく場面に独特の力があるのは、脚本や演出だけでは説明しきれません。
「新を演じているのは誰なのか」を知ると、この映画が投げかける問いも少し変わります。
障がいや介護をどう見るかだけではなく、目の前にいる人を最初から「できる人」「できない人」に分けず、一人の人間として向き合えるのか。
しんすけという俳優の存在は、その問いをスクリーンの外にまで残しています。



