
2026年11月3日に公開される映画『ゴジラ-0.0(ゴジラマイナスゼロ)』。
前作『ゴジラ-1.0』に続き、山崎貴監督が手がける最新作として注目を集めています。
そんな本作には、もう一つ大きな特徴があります。
それが、日本映画で初めて採用された「Filmed for IMAX(フィルムド・フォー・アイマックス)」という制作方式です。
ただ、名前を聞いただけでは何がすごいのか分かりにくいですよね。
普段から見かける「IMAXレーザー」とは何が違うのでしょうか。
実は、同じIMAX上映でも、映画館によって画面に映る範囲が変わる場合があります。
この記事では、Filmed for IMAXの仕組みから上映方式の違い、国内でも限られた映画館で楽しめる特別な映像まで、初めての人にも分かりやすく解説します。
『ゴジラ-0.0』は邦画初のFilmed for IMAX作品!
Filmed for IMAXとは?
Filmed for IMAXとは、簡単にいうと「最初からIMAXで観ることを考えて映画を作る仕組み」のことです。
IMAXは、大きなスクリーンと迫力ある音響が特徴の映画上映システムです。
通常の映画でもIMAXで上映されることはあります。
しかし、Filmed for IMAXでは、映画を作る段階からIMAXの技術を取り入れます。
例えば、撮影に使うカメラや画面の構図、音の調整などです。
映画の制作会社とIMAXが協力し、スクリーンの大きさを生かせる映像を目指して作品を完成させます。
『ゴジラ-0.0』は、この制作プログラムを採用した日本映画初の作品となります。
従来のIMAX上映とは何が違う?
ここで覚えておきたいのは、「IMAXで上映される映画」と「Filmed for IMAX作品」は必ずしも同じではないということです。
通常の映画をIMAX向けに調整して上映することもできます。
一方、Filmed for IMAXでは、最初からIMAXでの鑑賞を想定して映画が作られます。
例えば、巨大なゴジラをどこまで画面に映すのか。
観客が見上げるような構図にするのか。
スクリーンいっぱいに広がる映像を、どう使って恐怖を表現するのか。
こうした部分まで考えて制作できるのが特徴です。
ただし、Filmed for IMAXだからといって、必ずIMAXフィルムカメラを使用するわけではありません。
デジタルカメラで撮影された作品も、このプログラムに含まれます。
邦画初の採用が注目される理由
これまでFilmed for IMAXには、『トップガン マーヴェリック』や『DUNE/デューン 砂の惑星』など、海外の大作映画が参加してきました。
そこに今回、日本映画として初めて『ゴジラ-0.0』が加わりました。
しかも本作の主役は、巨大怪獣のゴジラです。
建物を見下ろすほどの巨体や、街を破壊する圧倒的な力を描く作品だけに、大きなスクリーンとの相性は良さそうですね。
今回の採用は、単に上映方法が増えたという話ではありません。
日本のゴジラ映画が、IMAXでの体験を重視して制作されたという点に大きな意味があります。
Filmed for IMAXとIMAXレーザーの違い
Filmed for IMAXは映画の制作プログラム
ここまで読んで、「Filmed for IMAXとIMAXレーザーは何が違うの?」と思った人もいるかもしれません。
実は、この2つは役割そのものが違います。
Filmed for IMAXは、映画を作る側の仕組みです。
撮影や映像の仕上げ、音響制作など、作品そのものに関係します。
つまり、映画をどう作るかという話になります。
IMAXレーザーは映画館の上映設備
一方、IMAXレーザーは映画館に設置されている設備の名前です。
レーザー光を使った専用の映写機で、明るく鮮明な映像をスクリーンに映し出します。
通常の映画館とは異なる専用の音響設備も備えています。
2つの違いをまとめると、次のようになります。
| 項目 | Filmed for IMAX | IMAXレーザー |
|---|---|---|
| 役割 | 映画を作る | 映画を上映する |
| 対象 | 撮影・映像・音響制作 | 映写機・スクリーン・音響設備 |
| 特徴 | IMAX向けに作品を制作 | IMAX向けの映像と音を再現する |
| 場所 | 映画の制作現場 | 映画館 |
つまり、『ゴジラ-0.0』はFilmed for IMAXで制作された映画を、IMAXレーザーなどの設備で楽しめる作品ということです。
IMAXレーザーとIMAX GTは何が違う?
さらに、IMAXレーザーには特別な設備があります。
それが「IMAXレーザー/GTテクノロジー」です。
一般的なIMAXレーザーも、高画質な映像と迫力ある音響を楽しめます。
一方、IMAX GTは、さらに大きなスクリーンを備え、上下に広い映像を映せることが特徴です。
最大の違いは「1.43:1」という特別な画角に対応していることです。
この数字が何を意味するのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
『ゴジラ-0.0』はIMAXで画面の広さが変わる!

通常上映とIMAXの画角を比較
映画を観ていると、スクリーンが横長になっていることに気づくはずです。
この画面の縦と横の比率を「画角」や「アスペクト比」と呼びます。
例えば、一般的な映画で使われる横長の画面には「2.39:1」という比率があります。
一方、IMAXでは「1.90:1」や「1.43:1」といった、上下に広い画面を使うことがあります。
同じ横幅で比較すると、数字が小さいほど縦に長い画面になります。
つまり、通常の横長画面では映らない上下の部分まで見える場合があるのです。
『ゴジラ-0.0』の公式サイトでも、この画角の違いを紹介しています。
映像が上下にどれくらい広がるのか、実際の比較映像で確かめられます。
公式サイト:https://godzilla-minuszero.toho-movie.jp/format.html
1.90:1と1.43:1の違いとは?
『ゴジラ-0.0』のIMAX上映では、映画館の設備に応じて1.90:1または1.43:1の画角が使われます。
一般的なIMAXレーザーでは、主に1.90:1までの映像を楽しめます。
一方、IMAX GTは最大1.43:1に対応します。
少し分かりにくいので、画面の形で考えてみましょう。
1.90:1は、横長の長方形に近い形です。
1.43:1は、それよりも正方形に近い形になります。
同じ横幅なら、1.43:1の方が上にも下にも大きく広がります。
ゴジラの頭から足元までを一度に見せたり、周囲の街並みをより広く映したりする演出にも向いています。
IMAX GTなら上下に約33%広い映像を楽しめる
1.90:1と1.43:1を同じ横幅で比較すると、1.43:1の方が縦方向の表示範囲は約33%広くなります。
これは単純に画面を引き伸ばすという意味ではありません。
作品側が対応していれば、通常のIMAXでは見えない上下の映像まで表示できるということです。
ただし、映画のすべての場面で画面が広がるとは限りません。
広い画角に対応したシーンだけで変化する作品もあります。
全編がIMAXの拡張画角になるわけではない?
『ゴジラ-0.0』については、グランドシネマサンシャイン池袋が、一部シーンを1.43:1で上映すると発表しています。
つまり、少なくとも同劇場では、全編が1.43:1になるわけではありません。
場面によって映像の形が変化することになります。
どのシーンで画角が広がるのか。
その変化がゴジラの登場やアクションとどう結びついているのか。
ここもIMAX上映ならではの注目ポイントになりそうですね。
『ゴジラ-0.0』を1.43:1で観られる映画館はどこ?
グランドシネマサンシャイン池袋(東京)
東京都内で1.43:1のIMAX映像に対応しているのが、グランドシネマサンシャイン池袋です。
同館のIMAX GTスクリーンは、横約25.8メートル、縦約18.9メートルという巨大なサイズを誇ります。
そして『ゴジラ-0.0』についても、一部シーンを1.43:1で上映することが公式に発表されています。
通常のIMAXレーザーでは見られない上下の映像まで楽しめるのが大きな特徴です。
109シネマズ大阪エキスポシティ(大阪)
大阪府吹田市にある109シネマズ大阪エキスポシティも、IMAX GTに対応する映画館です。
スクリーンは横約26メートル、縦約18メートル。
こちらも1.43:1の映像を映せる設備を備えています。
国内でも数少ない、特別なIMAX上映を楽しめる映画館として知られています。
ただし、1.43:1対応の設備があることと、すべての映画がその画角で上映されることは別です。
『ゴジラ-0.0』での実際の上映画角については、作品別の劇場案内を確認しておきたいですね。
全国2館のIMAX GT設備を比較
2026年10月時点で、国内で1.43:1のデジタルIMAX上映に対応するGT劇場は次の2館です。
| 比較 | 池袋 | 大阪エキスポシティ |
|---|---|---|
| 所在地 | 東京都豊島区 | 大阪府吹田市 |
| 上映設備 | IMAXレーザー/GT | IMAXレーザー/GT |
| スクリーン横幅 | 約25.8m | 約26m |
| スクリーン高さ | 約18.9m | 約18m |
| 最大対応画角 | 1.43:1 | 1.43:1 |
どちらも巨大なスクリーンと特別な映写設備を備えています。
ただし、同じIMAX GTでも、作品によって実際の上映画角は異なります。
映画館の設備だけでなく、観たい作品がどの画角で上映されるかを確認することが大切です。
通常のIMAXレーザーでも楽しめる?
もちろん、通常のIMAXレーザーも有力な選択肢です。
1.43:1の映像には対応していなくても、1.90:1の拡張画角を楽しめる劇場があります。
さらに、レーザー映写機による鮮明な映像や専用音響も魅力です。
IMAX GTの映画館が近くにないからといって、IMAXで観る意味がなくなるわけではありません。
最大限に広い映像を求めるならGT。
移動のしやすさも考えてIMAXを楽しみたいなら、通常のIMAXレーザーを選ぶのもいいですね。
『オデュッセイア』のIMAX撮影とは何が違う?
『オデュッセイア』はIMAXフィルムカメラで全編撮影
IMAXの技術を語るうえで、もう一つ注目したい映画があります。
クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』です。
この作品は、全編をIMAXフィルムカメラで撮影した初の長編劇映画として話題になりました。
フィルムカメラとは、デジタルデータではなく、写真のフィルムのような素材に映像を記録するカメラのことです。
IMAX用の大型フィルムを使うことで、非常に細かな映像を記録できます。
『ゴジラ-0.0』はIMAX認証デジタルカメラを使用
一方、『ゴジラ-0.0』はIMAX認証のデジタルカメラで撮影されています。
デジタルカメラは、撮影した映像をデータとして記録する仕組みです。
『ゴジラ-0.0』のように、コンピューターで作った映像を組み合わせるVFX作品では、デジタル技術も重要な役割を持ちます。
撮影方式は違っていても、どちらもIMAXでの鑑賞を重視して作られた映画という共通点があります。
IMAX 70mmフィルムとIMAXレーザーの違い
ここで、もう一つ混同しやすいのが「IMAX 70mm」と「IMAXレーザー」です。
IMAX 70mmは、大型フィルムを使って映像を映す方式です。
IMAXレーザーは、デジタルの映写機で映像を映す方式になります。
つまり、こちらは映画館での上映方法の違いです。
『オデュッセイア』のようにIMAXフィルムで撮影した作品でも、IMAXレーザーで上映することはできます。
大切なのは、撮影に使ったカメラと、映画館で使う映写機は別のものだということです。
Filmed for IMAX、IMAXフィルム撮影、IMAXレーザー。
似た名前でも、それぞれ意味が異なります。
『ゴジラ-0.0』をIMAXで観るべき3つの理由
ここまで、Filmed for IMAXの仕組みや映画館による違いを見てきました。
では、なぜ『ゴジラ-0.0』はIMAXで観る価値があるのでしょうか。
公開前に発表されている情報から、特に注目したい理由を3つ紹介します。
理由① 拡張画角でゴジラの巨大さを体感できる
まず注目したいのが、通常上映よりも上下に広がる映像です。
ゴジラの魅力といえば、何といってもその巨大さ。
人間の目線から見上げるような場面では、画面の上下に広がりがあるほど、スケールの大きさを感じやすくなります。
しかも本作は、最初からIMAXの拡張画角を想定して制作されています。
どのような場面で広い映像を生かしているのか、実際の上映が楽しみですね。
理由② IMAX専用の音響で咆哮や足音の迫力が増す
ゴジラ映画で欠かせないのが音の迫力です。
あの独特な咆哮や、巨大な足音。
『ゴジラ-0.0』では、IMAXシアター向けに音響も調整されています。
IMAX専用の音響設備によって、重低音や音の広がりをより強く感じられることが期待されます。
特にゴジラのような巨大怪獣を描く作品では、映像だけでなく音も重要な要素になります。
実際にどれほどの迫力があるのか、劇場で確かめたいですね。
理由③ 山崎貴監督がIMAX体験を想定して演出している
そして、最も重要なのが監督自身のこだわりです。
山崎貴監督は公式サイトで、映画を単に観るものではなく、体験に近づけることを意識して制作したと説明しています。
例えば、怪獣に追いかけられる場面。
カメラをすぐに切り替えるのではなく、一つの場面を長く見せることで、逃げても逃げ切れないような恐怖を表現しているということです。
こうした撮影方法は「長回し」と呼ばれます。
映像が途中で細かく切り替わらないため、観客もその場に居続けているような感覚になりやすくなります。
巨大なスクリーンで長回しの映像を観ると、どれほどの緊張感が生まれるのか。
今回のIMAX制作は、単にゴジラを大きく映すだけではありません。
観客自身がゴジラのいる世界に入り込んだような感覚を目指していることが分かります。
よくある質問(FAQ)
Q1. Filmed for IMAXとは何ですか?
A. 映画を制作する初期段階から、IMAXでの上映を想定して作るプログラムのことです。
撮影、映像の仕上げ、音響などをIMAX向けに調整するのが特徴です。
『ゴジラ-0.0』は、日本映画で初めて採用された作品となります。
Q2. IMAXレーザーとIMAX GTはどちらがおすすめですか?
A. 最大限に広い映像を楽しみたいなら、IMAX GTがおすすめです。
ただし、1.43:1の拡張画角に対応したシーンがあることが前提になります。
通常のIMAXレーザーでも、鮮明な映像と専用音響を楽しめます。
Q3. IMAX GTでなければ1.43:1の映像は観られませんか?
A. 日本国内のデジタルIMAX上映では、基本的に1.43:1対応のGT設備が必要になります。
2026年10月時点で、該当する国内のGT劇場は池袋と大阪エキスポシティの2館です。
Q4. すべてのシーンが拡張画角になりますか?
A. すべてのシーンが1.43:1になるわけではありません。
グランドシネマサンシャイン池袋では、一部のシーンが1.43:1で上映されると発表されています。
画角が変わる場面も含めて楽しみたいですね。
Q5. 通常上映でも『ゴジラ-0.0』を楽しめますか?
A. もちろん通常上映でも鑑賞できます。
ただし、IMAXでは専用に調整された映像や音響を楽しめるほか、通常上映より上下に広い映像が使われる場面もあります。
映画館での迫力を重視するなら、IMAX上映を選ぶ価値は十分にありそうです。
まとめ
『ゴジラ-0.0』は、日本映画として初めてFilmed for IMAXを採用した作品です。
これまでのように完成した映画をIMAXで上映するだけでなく、制作段階から大きなスクリーンでの体験を考えて作られています。
さらに、映画館によっては通常のIMAXより上下に広い1.43:1の映像も楽しめます。
ただ大きな画面でゴジラを観るのではありません。
その巨大さや恐怖を、観客自身がその場にいるように感じられるのか。
山崎貴監督が目指した新しいゴジラ体験に期待です。






